2026年5月23日

外形監視(synthetic monitoring)とは?仕組み・内部監視との違いを解説

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外形監視とは何か

外形監視(がいけいかんし)とは、Webサイトやサービスをネットワークの外側から実際にアクセスして、正常に稼働しているかを確認する監視手法です。英語では Synthetic MonitoringExternal Monitoring と呼ばれます。

「外形」という言葉が表すとおり、サーバーの内側から自己診断するのではなく、ユーザーと同じ経路でアクセスするのが最大の特徴です。どんなにサーバー内部が健全でも、ネットワーク経路やDNS設定が壊れていれば実際のユーザーはサイトにたどり着けません。外形監視はその「外から見た状態」を常に確かめます。

内部監視との違い

サーバー監視には大きく2つのアプローチがあります。

外形監視(External) 内部監視(Internal)
監視する場所 サーバーの外(インターネット経由) サーバーの内部
検知できる問題 サイト表示不可、SSL期限切れ、ドメイン期限切れ、レスポンス遅延 CPU過負荷、メモリ不足、ディスク逼迫
ユーザー視点か はい いいえ
代表的なツール Miterl、UptimeRobot、Site24x7 Zabbix、Prometheus、Datadog
導入コスト 低い(エージェント不要) 中〜高(エージェントインストールが必要)

Web制作会社がクライアントサイトを監視する場合、外形監視が出発点になります。サーバー側のアクセスが不要なため、クライアントの承認を得ずに即日導入でき、「実際にユーザーから見てサイトが使えるか」を直接確認できるからです。

外形監視の4つのチェック種類

Miterlが提供する外形監視は、HTTP・Ping・SSL・WHOIS(ドメイン有効期限)の4種類です。

HTTP監視 — ページが「見える」か確認する

最も基本的な外形監視です。指定URLへリクエストを送り、ステータスコードや本文、レスポンスタイムを検証します。

# HTTP監視のイメージ(curlで手動確認する場合)
curl -o /dev/null -s -w "ステータス: %{http_code}\n応答時間: %{time_total}秒\n" \
  https://example.com

Miterlでは上記と同等のチェックを1分間隔で自動実行します。ステータスコードが200以外になった瞬間、または応答時間が閾値を超えた時点でアラートを発報します。

Ping監視 — サーバーが「生きている」か確認する

ICMPパケットを送信し、サーバーが応答するかを確認します。アプリケーション層よりも低いレベルの死活確認で、サーバーそのものがダウンしているかを素早く検知します。HTTP監視と組み合わせることで、「アプリが落ちているのかサーバーごとダウンしているのか」を切り分けられます。

SSL監視 — 証明書が「有効」か確認する

SSL証明書の有効期限・チェーンの正当性・ドメイン名の一致をチェックします。

# SSL証明書の残り日数を手動確認する例
echo | openssl s_client -connect example.com:443 2>/dev/null \
  | openssl x509 -noout -enddate

証明書が期限切れになるとブラウザは警告ページを表示し、ユーザーはサイトにアクセスできなくなります。Miterlでは失効○○日前からアラートを送るため、更新忘れを防げます。

WHOIS監視 — ドメインの「有効期限」を見張る

ドメインの有効期限が切れると、どんなにサーバーやアプリが健全でも名前解決が止まり、誰もサイトにたどり着けなくなります。WHOIS監視はドメインの有効期限を定期的に確認し、失効する前にアラートを送ります。ドメイン管理を代行する制作会社にとって、更新忘れによる致命的なサイト停止を防ぐ重要なチェックです。whois_expiry_alert_days で失効何日前に通知するかを指定できます。

なぜ外形監視だけでも十分なのか

内部監視(Zabbix等)は強力ですが、クライアントサイトの保守を請け負う制作会社には過剰なケースがほとんどです。

  • エージェントのインストールにクライアントの協力が必要
  • サーバーやOSの種類に依存する設定が複雑
  • 保守コストが高い

一方、外形監視はURLさえ分かれば即日設定できます。「サイトが表示される」という最終的な事実をユーザー視点で確認できるため、クライアントへの説明もシンプルです。

外形監視と内部監視を組み合わせる場面

VPSや専用サーバーを管理する場合は、外形監視に加えて内部監視も検討する価値があります。

  • 外形監視でサイトダウンを検知 → 同時にサーバーリソースが枯渇しているか確認
  • 内部監視でCPU/メモリ使用率が急上昇 → 外形監視でユーザー影響が出ているか確認

この2つをセットで持つことで「なぜ落ちたか」の原因特定が速くなります。ただし、最初のステップとして外形監視から始めて、必要に応じて内部監視を追加するのが現実的な進め方です。

Miterlで外形監視を設定する

MiterlはHTTP・Ping・SSL・WHOIS の4種類の外形監視をすべて一つのダッシュボードで管理できます。APIで設定を自動化できるため、クライアントサイトが増えても運用負荷が増えません。

# Miterlで新しい外形監視(HTTP)を追加する例
curl -X POST https://miterl.com/api/v1/monitors \
  -H "Authorization: Bearer YOUR_API_KEY" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{
    "name": "client-a 本番",
    "url": "https://client-site.example.com",
    "type": "http",
    "interval_seconds": 60,
    "alert_contact_ids": [1, 2]
  }'

alert_contact_ids には通知先(アラートコンタクト)のIDを整数の配列で指定します。通知先はダッシュボードで作成し、GET /api/v1/alert-contacts でID一覧を取得してください。監視の種類(type)を "ping""ssl""whois" に変えるだけで、同じ構文で別のチェックを追加できます。クライアント別の整理(タグ付け)はダッシュボードで行えます。

制作会社向けの推奨構成

監視種別 チェック間隔 優先度
HTTP監視 1分 必須
SSL監視 1日 強く推奨
WHOIS監視 1日 ドメイン管理代行時に推奨
Ping監視 1分 専用サーバー管理時に追加

まとめ

外形監視は、Webサイトを「ユーザーの目線」で常に確認し続ける監視手法です。エージェント不要・即日設定可能という特性から、クライアントサイトを多数管理する制作会社に特に適しています。

  • 外形監視はネットワークの外からアクセスしてユーザー視点の稼働状態を確認する
  • HTTP・Ping・SSL・WHOISの4種類が主な監視メニュー
  • 内部監視と組み合わせると障害の原因特定がさらに速くなる
  • 制作会社はまず外形監視から始め、必要に応じて内部監視を追加するのが現実的

各監視の詳細な設定方法はドキュメントを参照してください。実際の動作は無料プランでそのまま試せます。保守契約への組み込み方はWeb制作会社が死活監視を保守契約に組み込むべき5つの理由で詳しく解説しています。監視ツールの選び方は死活監視ツール比較記事も参考にしてください。