2026年4月1日

【2026年版】死活監視ツール比較:UptimeRobot・Better Stack・Miterl

死活監視 ツール比較 UptimeRobot Better Stack

死活監視ツールの選び方——制作会社が重視すべきポイント

Web制作会社が複数のクライアントサイトを管理する場合、死活監視ツールの選定は運用品質に直結します。本記事では、2026年9月時点でよく利用されている3つのツール——UptimeRobot、Better Stack、Miterlの特徴と選び方を比較します。

海外製ツールは機能が充実している反面、日本の業務で主流のChatwork・LINEに対応していない、UIが英語のみでクライアント共有しづらい、といったギャップがあります。自社の運用シナリオに合うかを軸に選ぶのがポイントです。

2026年9月時点の主要プラン概要

UptimeRobot

  • 無料プラン: 50モニター・5分間隔、ステータスページ1枚。2024年10月の規約改訂で一時期は商用利用が禁止されていたが、2026年に規約が改訂され商用利用禁止は撤回された。UptimeRobotの現行の利用規約には「commercial and business useを含むあらゆる用途に利用可能」と明記されており、ヘルプセンターもクライアントワークや収益目的のプロジェクトでの利用を認めている
  • Solo: 60秒間隔。10モニターなら月額$9〜10、50モニターに増やすと月額$19〜22(いずれも年払い/月払い)
  • Team: 月額$35〜41(年払い/月払い)、モニター100件固定、30秒間隔——UptimeRobotで最も選ばれているプラン
  • Scale: 15秒間隔。200モニターなら月額$65〜77、500モニターに増やすと月額$149〜179(いずれも年払い/月払い)
  • Enterprise: 個別見積もりのみ(モニター500件以上)。固定料金の掲載は廃止された

※2026年9月28日時点でUptimeRobot公式サイト(料金ページ・利用規約・ヘルプセンター)を直接確認して更新。UptimeRobotの料金ページはアクセス地域により表示通貨が変わり、上記はEUR表示の金額。実際の請求通貨は公式サイトで確認のこと。

Better Stack

  • 無料プラン: 10モニター・3分間隔、1ステータスページ、Slack・メール通知
  • 有料プラン: 単一の「Teamプラン」ではなく、シート課金+モニター課金の組み合わせ。Responderシート(Uptime+Telemetryへのアクセス権)が月額$29〜(年払い、月払いは$34)、無料枠の10モニターを超える分は50モニター単位で追加購入(年払い月額$21、月払い$25)。有料枠では30秒間隔のチェックと無制限の電話・SMS通知が使え、ログ管理・インシデント管理のアドオンとも組み合わせられる

※旧名「Better Uptime」として知られていたサービス。

Miterl

  • 無料プラン: 日本語UI・メール通知など基本機能を試用可(Chatwork通知はStandard以上、LINE通知はProプランで利用可能)
  • 有料プラン: クライアント単位でのワークスペース分離、クライアント別の共有レポート機能、ステータスページのカスタムドメイン対応

主要3ツールの機能比較

比較表:機能・通知先・日本語対応

項目 UptimeRobot Better Stack Miterl
無料プラン 50モニター / 5分間隔(商用利用可) 10モニター / 3分間隔 あり
最短監視間隔 60秒(有料) 30秒(有料) 60秒
SSL証明書監視 あり あり あり
Slack通知 あり あり あり
Chatwork通知 なし なし あり
LINE通知 なし なし あり
日本語UI なし なし あり
ステータスページ あり(有料) あり(無料枠含む) あり
月次レポート自動生成 限定的 あり あり
マルチテナント運用 非対応 対応(上位プラン) 対応
ログ・インシデント管理統合 なし あり 部分対応

UptimeRobot:定番の海外ツール、無料枠の商用制限は撤回済み

UptimeRobotは長年の実績があり、無料プランで50モニターを使えることで広く普及してきました。2024年10月の規約改訂(2024年12月1日施行)で一時期は無料プランが非商用個人利用に限定されましたが、2026年にこの制限は撤回されています。UptimeRobotの現行の利用規約は「commercial and business useを含むあらゆる用途に利用可能」と明記しており、受託開発・制作会社によるクライアントサイト監視も無料プランで問題ありません。有料プランへ移行する理由は規約上の制限ではなく、モニター数(50件超)やチェック間隔(5分より高頻度)、複数ログインといった容量・機能面の要件になります。すでにUptimeRobotで構築した監視環境をMiterlに移行したい場合は「UptimeRobotからMiterlへの乗り換えガイド」に移行手順をまとめています。

UIが英語のみであること、日本でよく使われるChatwork・LINEへの通知に対応していない点は制作会社にとって引き続きハードルになり得ます。有料プランでも最短監視間隔は60秒で、込み入った監視シナリオを組みたい場合は他ツールが適する場合があります。

Better Stack:高機能なオールインワン、ログ管理も統合

Better Stackはインシデント管理・オンコール・ログ管理も統合されたオブザーバビリティプラットフォームです。無料プランでも10モニターと1ステータスページが使えるなど間口は広く、有料プランではSlackや電話・SMS通知が充実しています。

ただし、料金は監視機能のみに特化したツールより高めになる傾向があります。SRE専任者が在籍する組織や、ログ管理も含めて一元化したい中〜大規模チームには強力な選択肢です。一方、主に死活監視と月次レポートがあれば足りる小規模な制作会社には、コストが過剰になるケースもあります。

Miterl:日本の制作会社に最適化

Miterl は日本語UIを標準搭載し、Slack・Chatwork・LINEといった国内で主流の通知先に対応しています。制作会社が複数クライアントを管理する運用フロー——障害アラートの即時通知から、月次稼働レポートのクライアント共有まで——を想定して設計されているのが特徴です。

# Miterlで監視中のサイト一覧を取得
curl -s https://miterl.com/api/v1/monitors \
  -H "Authorization: Bearer YOUR_API_KEY" | jq '.data[] | {name, url, status}'

月次稼働レポートの自動生成、ワークスペース単位のクライアント分離、ステータスページのカスタムドメイン対応など、保守契約とセットで運用する前提の機能が揃っています。月次レポートはダッシュボードで自動生成され、共有URLやPDFでクライアントに渡せます。

APIからは各モニターの直近30日の稼働率(uptime_30d)を取得して、自前のレポートに組み込めます。

# 監視中サイトの直近30日の稼働率を一覧取得
curl -s https://miterl.com/api/v1/monitors \
  -H "Authorization: Bearer YOUR_API_KEY" | jq '.data[] | {name, status, uptime_30d}'

制作会社がツールを選ぶときの判断基準

3つの判断軸

ツール選びで迷ったら、以下の3点で判断するのがおすすめです。

  1. 通知先の対応状況: クライアントや社内で使っているチャットツール(Slack・Chatwork・LINE・Teams)に対応しているか
  2. 日本語対応: クライアントへの共有やレポートに日本語が使えるか。管理画面・通知メッセージ・月次レポートいずれも
  3. コストパフォーマンス: 管理サイト数に対して料金が見合うか。UptimeRobotはTeamプランがモニター100件固定、Better Stackはシート課金とモニター課金が別建てなので、見出しの月額だけでなく実際のモニター数で試算すること

ケース別の推奨ツール

シーン 推奨ツール 理由
個人サイト・小規模で50件以内 UptimeRobot 無料プランで50モニターまで商用利用可(5分間隔)
制作会社で5〜50クライアント Miterl 日本語+Chatwork/LINE+月次レポート+障害調査対応
SRE専任・ログ管理も必要な組織 Better Stack ログ・オンコールまで統合
大企業内製運用 Better Stack or Miterl 要件次第で選定

よくある質問

UptimeRobotの無料プランは2026年時点でも商用利用禁止のままですか?

いいえ。UptimeRobotは2024年12月1日施行の規約改訂でFreeプランを一時的に非商用利用に限定していましたが、2026年にこの制限は撤回されました。2026年9月28日にUptimeRobot公式の利用規約・ヘルプセンターを直接確認したところ、Freeプランは「commercial and business useを含むあらゆる用途に利用可能」と明記されており、クライアントサイトや収益を生むプロジェクトの監視も問題なく認められています。Freeプランから有料プランへ移行する実務上の理由は、規約上の制限ではなく、モニター数(50件超)・チェック間隔(5分より高頻度)・複数ログインといった容量・機能面の要件です。

クライアントサイト50件を監視する場合、UptimeRobot・Better Stack・Miterlの料金はどのくらい違いますか?

UptimeRobotのFreeプランは規約上は50件までのクライアントサイト監視にも使えますが、チェック間隔が5分と粗いため、多くの制作会社はSolo(50モニターまで対応、月額$19〜22)かTeam(月額$35〜41、モニター100件固定、30秒間隔)に上げてより高頻度な監視と複数ログインを確保します。Better Stackには単一の「50モニタープラン」は無く、Responderシート(年払い月額$29〜)に加えて、無料枠の10モニターを超える分を50件単位で追加購入(年払い月額$21〜)する課金体系です。シート1つ+モニター最大60件でおおよそ月額$50前後(年払い)となり、無制限の電話・SMS通知も含まれます。Miterlの有料プランはクライアント単位のワークスペース分離とクライアント別の共有レポート機能を前提に設計されているため(月次稼働レポート自体は無料プランでも自動生成されます)、モニター単価だけでなく「クライアントワークスペースあたりのコスト」で比較するのが実務上は妥当です。最新のプラン内容・請求通貨は各社の料金ページで確認してください。

日本のクライアントに使うChatwork・LINE通知に対応しているのはどれですか?

今回比較した3ツールのうち、Chatwork・LINE通知に対応しているのはMiterlのみです(Chatwork通知はStandard以上、LINE通知はProプランで利用可能)。UptimeRobot・Better Stackはいずれもネイティブ対応しておらず、日本のクライアントを担当する制作会社がこれらのツールを使う場合は、Webhookの中継や別途の連携ツールを挟む必要があります。

まとめ

死活監視ツールは「機能リストの比較」ではなく「自社の運用に合うか」で選ぶのが正解です。特に日本の制作会社の場合、ChatworkやLINEへの通知可否・日本語レポート・マルチクライアント運用のしやすさが決定打になります。

なお、UptimeRobotの無料プランは2024年12月施行の商用利用禁止が2026年に撤回されており、現在はクライアントサイトの監視にも無料プランを使えます。ただし5分間隔・50モニターという容量の制約は残るため、規模が大きくなれば結局は有料プランやMiterlへの移行を検討することになります。

制作会社での具体的な導入ステップは Web制作会社が死活監視を保守契約に組み込むべき理由 でも解説しています。すでにUptimeRobotを利用中で乗り換えを検討している方は UptimeRobotからMiterlへの乗り換えガイド を参照してください。乗り換え前に意思決定の根拠を整理したい場合は「UptimeRobotからMiterlへ:制作会社が乗り換える5つの理由」も参考になります。実際の使用感を試したい方は 無料で始める からお試しください。

ツール選定と並行してSLAの目標値を整理したい場合は「稼働率99.9%と99.99%の違いとは?ダウンタイム換算と計算方法」で稼働率の換算表と業種別の推奨目標を確認できます。導入事例や活用方法については ユースケース のページも参考になります。Miterlのドキュメントはこちら、よくある質問はFAQにまとめています。監視ツールを比較するうえで「応答速度の計測間隔と精度」は重要な判断軸です。「応答速度監視ガイド:レスポンスタイムの計測と改善」では各ツールに共通の設定ベストプラクティスをまとめています。障害が発生したときにクライアントへ送る通知メールの文例は「障害通知メールテンプレート集:クライアントへの連絡文例」が役立ちます。自社の運用に合ったツールを選び、クライアントサイトの安定稼働を実現しましょう。