2026年4月1日

Web制作会社が死活監視を保守契約に組み込むべき5つの理由と提案術

制作会社 保守契約 サイト監視 ビジネス

「保守料、毎月払っているけど何をしてくれているの?」

Web制作会社の多くが保守契約を提供していますが、クライアントに「月額費用に見合う価値があるのか」と聞かれたとき、明確に答えられるでしょうか。WordPress更新や軽微な修正だけを提供している保守契約では、クライアントが「価値を実感できない」まま解約に至るケースが珍しくありません。

「障害調査込みの保守サブスク」 として死活監視をパッケージ化することで、保守の価値を数値で証明しながら、解約されにくいストック型の収益基盤を構築できます。本記事では、その5つの理由と提案の具体的な進め方をまとめます。

障害調査込みの保守サブスクとは何か

従来の保守契約では「障害が発生したら連絡してください」というスタンスが多い。しかし「障害調査込みの保守サブスク」では、クライアントが気づく前に障害を検知し、原因調査まで含めた対応を提供します。

従来の保守 障害調査込み保守サブスク
障害はクライアントが先に気づく 監視ツールが平均3分以内に検知
「確認します」から調査スタート 通知と同時に調査開始
ダウンタイムが数時間に及ぶことも 早期検知で影響範囲を最小化
価値が見えにくい 月次レポートで稼働率を数値証明

MiterlのProプランでは月3件の障害調査代行(NDA締結でサーバー内部まで調査)が付帯します。「なぜ落ちたか」まで調べてクライアントに報告できることが、他社にはない差別化ポイントになります。

死活監視を保守契約に組み込むべき5つの理由

1. クライアントが気づく前に障害を検知できる

サイトが落ちたとき、最初に気づくのがクライアントやそのユーザーでは信頼を失います。監視ツールを導入していれば、障害発生から数分以内に検知し、クライアントに連絡する前に対応を開始できます。「気づいたら直っていた」という体験が一番クライアントを安心させます。

2. 保守契約の単価を上げられる

「月額5,000円のサイト監視付き」といったメニューは、クライアントにとって分かりやすい価値です。10サイト分なら月5万円の安定収入になります。既存の保守契約に追加するだけで、解約されない限りストック収益として積み上がります。

3. 障害対応の実績が信頼につながる

月次レポートで「今月の稼働率99.9%」「障害0件」と報告できれば、クライアントは安心して任せ続けてくれます。可視化されたパフォーマンス数値は契約更新の後押しになります。稼働率レポートの自動化については「保守サブスク向けSLAレポート自動化ガイド」で詳しく解説しています。

4. 解約率の低下に直結する

保守契約の解約理由トップは「何をしてもらっているか分からない」です。監視レポートを毎月定期的に送るだけで、何もしていない月でも価値を感じてもらえるようになり、解約率が大きく下がります。

5. 追加案件の受注機会が増える

監視レポートに「SSL証明書まであと30日」「レスポンス速度が前月比10%悪化」のような観察コメントを添えれば、それ自体が追加提案のきっかけになります。サーバー増強、CDN導入、リニューアル提案など、監視データは営業資料として機能します。レスポンスタイムの監視と改善提案については「レスポンスタイム監視の基本と改善」も参考にしてください。

Miterlで監視体制を構築する

Miterlを使えば、複数クライアントのサイトを一元管理できます。監視の設定はAPIで自動化できるため、サイト数が増えても運用負荷は最小限です。

監視対象の追加

通知先(alert_contact_ids)は事前にダッシュボードで作成し、GET /alert-contacts でIDを取得して指定します。クライアントごとにワークスペースを分けたい場合は workspace_id を渡します。

# 新しい監視対象を追加する例
curl -X POST https://miterl.com/api/v1/monitors \
  -H "Authorization: Bearer YOUR_API_KEY" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{
    "url": "https://client-site.example.com",
    "name": "クライアントA - コーポレートサイト",
    "type": "http",
    "interval_seconds": 60,
    "alert_contact_ids": [1, 2]
  }'

クライアントごとの月次レポート取得

月次の稼働レポートはダッシュボードで自動生成され、共有URLやPDFでそのままクライアントに渡せます。数字だけ抜き出したい場合は、各モニターの直近30日稼働率(uptime_30d)をAPIで取得できます。ワークスペースを分けておけば、workspace_id でクライアント単位に絞り込めます。

# 各モニターの直近30日稼働率を取得(クライアント送付用の数字)
curl -s "https://miterl.com/api/v1/monitors?per_page=100" \
  -H "Authorization: Bearer YOUR_API_KEY" \
  | jq -r '.data[] | "\(.name): \(.uptime_30d)%"'

監視項目の設定例

制作会社が提供する監視サービスでは、以下の項目をカバーすると包括的です。

監視項目 チェック間隔 用途
HTTP監視 1分 サイトの表示確認
SSL証明書 1日 証明書の期限切れ防止
DNS監視 1時間 DNS設定の変更検知
レスポンスタイム 1分 表示速度の低下検知

ステータスページでクライアントの問い合わせを減らす

障害調査込み保守サブスクをより高付加価値にする施策として、クライアント向けステータスページの提供があります。障害発生時に「今どうなってるの?」という問い合わせをクライアント自身が確認できるURLを提供することで、エンジニアが復旧作業に集中できます。

Standard プラン以上ではホワイトラベル対応(「Powered by Miterl」非表示)と独自ドメイン(status.クライアントドメイン)でのページ公開が可能です。ステータスページの費用対効果については「ステータスページの費用対効果と導入コスト比較」で詳しく試算しています。

クライアントへの提案ステップ

提案の4ステップ

保守契約に監視を追加する際の提案ポイントです。

  1. 課題の提示: 「サイトが落ちた場合、平均復旧時間はどのくらいですか?」
  2. 数値で説明: 「1時間のダウンタイムで想定される機会損失は○○円です」
  3. 解決策の提示: 「24時間365日の自動監視で、障害を平均3分以内に検知します」
  4. 費用対効果: 「月額○○円で、年間のダウンタイムリスクを大幅に低減できます」

提案メール文例

件名: 保守契約のアップデートのご提案(監視サービス追加)

○○様

いつも保守契約をご利用いただきありがとうございます。
サイト運用状況を見直したところ、万が一のダウン発生時に
御社側での気づきに依存する状態が残っていました。

この機会に、24時間365日の死活監視サービスを
保守メニューに追加することをご提案いたします。

・障害を平均3分以内に検知し、当社から即座にご連絡
・月次レポートで稼働率・インシデント詳細を可視化
・追加費用: 月額5,000円(税別)

次回のお打ち合わせで詳細をご説明できればと思います。

ダウンタイム損失額の試算はサイトダウンの損失額はいくら?の記事が参考になります。

料金体系のヒント

監視サービスの価格設定は、以下を参考にしてください。クライアントの業種・サイト規模・要求SLAで判断します。

  • ベーシック: HTTP監視のみ(月額3,000〜5,000円)
  • スタンダード: HTTP + SSL + DNS監視(月額5,000〜10,000円)
  • プレミアム: 全監視 + ステータスページ + 月次レポート + 障害調査(月額10,000〜20,000円)

保守契約にすでに監視を含める運用をしているなら、「ベーシック込み」として明細に表記することで、無料ではなく価値のある工数として認識してもらえるようになります。

まとめ

「障害調査込みの保守サブスク」は、制作会社にとって低コストで導入でき、クライアントにとって分かりやすい価値を持つサービスです。死活監視をコアに据えることで、保守契約のリテンション向上、単価アップ、追加案件機会の創出と、営業と運用の両面でリターンがあります。

  • 監視をメニュー化すると保守の解約率が下がる
  • 月次レポートが自然な追加提案の土台になる
  • 料金設計は3段階で、既存保守にも組み込みやすい
  • Miterlなら複数クライアントをAPI/タグで効率管理できる

初期設定の詳細は「Web制作会社向け Miterl 初期設定ガイド」で解説しています。詳しい機能はドキュメントで確認できます。他社の活用例はユースケースページを参照してください。導入前によくある質問もチェックしておくと安心です。現在UptimeRobotを使用中で乗り換えを検討している方は、UptimeRobotからMiterlへの乗り換えガイドで具体的な移行手順を確認できます。