2026年6月12日

WordPress保守サービスに死活監視を組み込む方法|制作会社向けプラン設計と手順

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「WordPress保守に監視は含まれていますか?」という質問

クライアントからこの質問を受けたとき、即答できますか。

WordPress保守サービスを提供している制作会社の多くは、バックアップ・プラグイン更新・セキュリティスキャンを標準メニューに含めています。しかし「死活監視(外形監視)」を正式なメニュー項目として設計している会社は、まだ少数派です。

この記事では、WordPress保守サービスに外部死活監視を組み込む具体的な手順と、保守プランの料金設計への反映方法を解説します。「監視を含む保守プランに移行したいが、どう設計すればよいか」という制作会社向けの実践ガイドです。

なぜ「外部監視」が必要なのか

WordPress自体にはサイトが落ちたことを検知して通知する機能はありません。プラグイン(Jetpackなど)を使った内部監視も存在しますが、同じサーバー上のプロセスが監視しているため、サーバー自体が停止した場合には通知が届きません。

外部監視は、異なるネットワーク拠点から定期的にHTTPリクエストを送って応答を確認します。サーバーが停止しても、PHPが返答できない状態でも、外部からは「応答なし」として検知できます。

監視方法 仕組み サーバー停止時の検知
WordPress内部プラグイン 同一サーバー上で動作 不可
外部死活監視(Miterなど) 外部ネットワークからHTTPチェック

WordPress保守を謳うなら、この違いは保守の品質に直結します。

外部死活監視をWordPress保守に組み込む4ステップ

ステップ1: モニターの登録

Miterlにログインし、管理するWordPressサイトを1件ずつHTTPモニターとして登録します。

# API経由でWordPressサイトのモニターを作成する例
curl -X POST https://miterl.com/api/v1/monitors \
  -H "Authorization: Bearer YOUR_API_KEY" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{
    "name": "クライアントA - WordPressサイト",
    "url": "https://client-a.co.jp",
    "type": "http",
    "interval_seconds": 60,
    "alert_contact_ids": [1]
  }'

複数サイトを一括登録する場合はAPIが効率的です。登録後は管理画面でモニター一覧を確認し、全サイトが「稼働中(UP)」で緑色になっていることを確認します。

ステップ2: SSL証明書期限の監視を追加

WordPressサイトで頻発するトラブルのひとつが、SSL証明書の期限切れです。Let's Encryptの自動更新が失敗するケースや、有料証明書の更新を失念するケースは、保守担当者が最も避けたい事象です。特にWordPress固有の問題として、キャッシュプラグインがLet's EncryptのACMEチャレンジURLをキャッシュして認証失敗を引き起こすケースがあります。複数クライアントサイトにわたるSSL証明書の一括管理方法は「WordPress制作会社向けSSL証明書期限を一括管理する方法」で詳しく解説しています。

# SSL監視モニターを追加する例
curl -X POST https://miterl.com/api/v1/monitors \
  -H "Authorization: Bearer YOUR_API_KEY" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{
    "name": "クライアントA - SSL証明書",
    "url": "https://client-a.co.jp",
    "type": "ssl",
    "interval_seconds": 3600,
    "alert_contact_ids": [1]
  }'

Miterlは証明書の有効期限を自動で取得し、残り日数が閾値(7日・14日・30日)を下回ると事前にアラートを送ります。更新漏れによるトラブルを事前に防げます。

ステップ3: クライアント向けステータスページを公開

監視が稼働したら、クライアントが自分で確認できるステータスページを作成します。ダッシュボードから対象モニターを選んで「公開」に切り替えるだけです。

独自ドメイン(status.clientdomain.jp)を設定する場合は、クライアントのDNSにCNAMEレコードを1件追加します。Standardプラン以上では「Powered by Miterl」の表記を非表示にでき、制作会社ブランドのページとして提供できます。

障害時にクライアントから「どうなっていますか?」という問い合わせが来る前に、ステータスページのURLを保守契約の初回案内に含めておくことをお勧めします。ステータスページの活用詳細は「クライアント向けステータスページの活用法」を参照してください。

ステップ4: 月次稼働率レポートを保守報告に組み込む

毎月の保守報告書に稼働率データを追加します。「99.9%稼働」という数字は、クライアントが保守契約の価値を判断するための最もわかりやすい指標です。

# 月次レポート用に稼働率データを取得する例
curl -s "https://miterl.com/api/v1/monitors/1" \
  -H "Authorization: Bearer YOUR_API_KEY" | \
  jq '{name: .name, status: .status, uptime_30d: .uptime_30d}'

稼働率レポートの作成方法の詳細は「稼働率レポートの作り方|SLAを満たすクライアント報告テンプレート」で解説しています。

保守プランへの料金設計の反映

死活監視を「含まれていて当然の保守サービス」として組み込むか、「オプション追加」として別料金にするかは判断が分かれます。以下の観点で検討してください。

選択肢1: 保守基本料に含める(推奨)

死活監視を標準メニューに含め、保守料金を月3,000〜5,000円程度引き上げる方法です。

メリット:

  • 「監視込みの保守」としてクライアントに説明しやすい
  • 提案時に競合他社との差別化ポイントになる
  • 追加交渉が不要で管理がシンプル

判断基準: 保守サイト数が多く、Miterlの月額費用を複数クライアントで分割できる場合に有利です。

選択肢2: 監視強化プランとして段階設定

基本保守(バックアップ・更新)と、監視追加プランを階層化する方法です。

プラン 内容 月額(例)
ライトプラン バックアップ + プラグイン更新 5,000円
スタンダードプラン ライト + 死活監視 + ステータスページ 8,000円
プロプラン スタンダード + 月次レポート + 障害調査代行 12,000円

クライアントが選べる構造にすることで、アップセルの導線が自然に作れます。料金設計の詳細は「保守契約に監視を組み込む料金設計ガイド」でまとめています。

既存クライアントへの移行提案の進め方

新規クライアントへの提案より難しいのが、既存の保守契約クライアントへの移行です。

推奨アプローチ:

  1. まず無料で設定して見せる: 「今月から監視も始めました、状況はここで確認できます」とステータスページURLを送る
  2. 翌月のレポートに稼働率を追加: 「先月は99.8%稼働でした」という一行を加えるだけ
  3. 次の更新タイミングで料金反映: 「より手厚い保守体制に移行しましたので」と自然に伝える

突然の値上げ提案より、「価値を先に見せてから料金に反映する」流れのほうがクライアントに受け入れられやすいです。

複数のWordPressサイトを効率的に管理するための設定全体は「Web制作会社向け Miterl 初期設定ガイド」で解説しています。

ツール選定のポイント

WordPress保守への外部監視組み込みで重要な選定基準は次の通りです。

基準 重要度 理由
複数サイトの一括管理 必須 クライアントごとに別々のツールは管理負荷が高い
SSL証明書の期限監視 必須 WordPress運用で頻発するトラブルの予防
日本語UI・通知 Chatwork/LINE通知対応。クライアントへの説明コスト削減
クライアント向けレポート 保守価値の可視化に直結
API対応 サイト数が増えたときの一括操作に必要

UptimeRobotやBetter Stackとの機能・料金比較は「【2026年版】死活監視ツール比較:UptimeRobot・Better Stack・Miterl」でまとめています。

よくある質問

1分間隔の監視はWordPressサーバーに負荷がかかりますか?

HTTP GETリクエスト1件の負荷はブラウザのアクセス1件と同等以下です。通常のWordPressサイトであれば問題ありません。負荷が気になる場合は5分間隔の設定も選択できます。

既にJetpackの監視機能を使っています。それとは何が違いますか?

Jetpackの死活監視はWordPress.comのネットワークからチェックしますが、同一のサーバーリソースに依存する場合があります。MiterlはWordPressと完全に独立した外部ネットワークからチェックするため、サーバー全体の障害も確実に検知できます。また、Chatwork・LINE通知やクライアント向けステータスページなど、制作会社の保守業務に特化した機能が揃っています。

保守しているサイトが増えたとき、コストはどう変わりますか?

Miterlはサイト数(モニター数)に応じたプランです。サイト数が増えるほど1サイトあたりの単価は下がり、クライアントへの請求単価を維持すれば保守業務の収益率が上がる構造になります。詳細は「制作会社の死活監視サービスにかかるコストと費用対効果」を参照してください。

まとめ

WordPress保守サービスに外部死活監視を組み込むことは、4ステップで実現できます。

  1. HTTPモニターの登録(APIまたはダッシュボード)
  2. SSL証明書監視の追加
  3. クライアント向けステータスページの公開
  4. 月次稼働率レポートへの反映

保守単価を上げながら、障害時の問い合わせ対応工数を削減できます。まずは無料プランで試すか、ドキュメントでMiterlの設定手順を確認してください。制作会社向けの活用シナリオはユースケース一覧もあわせて参考にしてください。